Kuu-Lab「眠り」

眠りは、夜だけの話?

朝の光、昼すぎの眠気、夕方のお風呂。今夜の眠りは、一日のどこかで、もう始まっているのかもしれません。眠りは習慣なので、知っただけではなかなか変わりません。ここには、一日の時間ごとに、つまずきやすいところと、ためせることを置いています。合うものも、合わないものもあるはずです。

0時6時12時18時夜中明け方朝日中夕方夜一日を通して

区切りを押すと、その時間の話へ移ります。

ためし方

  1. 気になる話を、1つだけ選ぶ
  2. 1週間、続けてみる
  3. 寝床に入った時刻、起きた時刻、眠っていた時間、休まった感じを書きとめる
  4. 合わなければ、別の話へ

参考までに、米国睡眠医学会が2021年に出した慢性的な不眠症の治療指針では、生活習慣のコツを伝えること(睡眠衛生)を、それだけで治療として使うことは勧められていません。これは医療機関で行う不眠症の治療についての話で、このページのような日々の習慣の見直しとは目的が違います。眠れない状態が続くときは、生活の工夫だけで抱え込まず、医療機関に相談してください。
資料:米国睡眠医学会の治療指針(英語)

6時〜10時ごろ

朝

目覚めたときから、次の眠りは始まっている?

  1. 新しい話

    休日になると、つい昼まで寝てしまう

    週末に長く眠れば、平日の眠りは取り返せるのだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    平日の不足を休日に取り戻そうとする「寝だめ」は、体内時計を乱すとされています(睡眠ガイド2023)。厚生労働省の記録シートでも、休日の睡眠時間が平日より長いなら、ふだんの睡眠が足りていない可能性がある、としています。睡眠学者の柳沢正史さんは、長く眠ると眠りの中間の時刻がずれて、時差ぼけのような状態になると説明しています。

    ためしてみる

    • 休日も、寝る時刻ではなく起きる時刻を、平日に近づけてみる。
    • 休日に長く眠りたくなるなら、平日の夜を少しだけ早めてみる。

    合わない・続かないときは

    いきなり平日と同じ時刻にそろえなくても、少しずつ近づけるやり方もあります。週末にそれだけ眠りたくなるのは、平日のどこかで眠りが削られている合図なのかもしれません。

    資料:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(PDF)資料:厚生労働省「睡眠チェック&アドバイス」(PDF)資料:Business Insider Japan 柳沢正史さんインタビュー関連する動画を見る(#03)

  2. 新しい話

    朝、外の光を見ないまま一日が始まる

    夜の眠気は、夜になってから生まれるのだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    朝、目から入った光が、体内時計の起点になります。そこから13時間くらいたつと、眠りに関わるメラトニンというホルモンが出はじめ、深部体温が下がって、1〜2時間のうちに自然な眠気が来るとされています(文部科学省の資料より)。睡眠指針2014も「ねむりとめざめのメリハリ」を挙げています(第2条)。

    ためしてみる

    • 起きたらまずカーテンを開けてみる。窓の近くで朝ごはんを食べるのもいい。
    • その日、眠気が来た時刻を、朝に光を浴びた時刻と並べて書いてみる。

    合わない・続かないときは

    13時間は目安で、ぴったりそうなるとは限りません。朝の時刻を変えにくい生活なら、まず休日と平日で起きる時刻をそろえるところから始める、という順番もあります。

    資料:文部科学省「光による生体リズム調節」資料:厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」睡眠12箇条(PDF)関連する動画を見る(#07)

  3. 新しい話

    朝がどうしても苦手

    朝が苦手なのは、気合いが足りないからだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    朝型・夜型は「クロノタイプ」と呼ばれます。国立精神・神経医療研究センターの研究者による総説では、生まれ持った体内時計の性質のあらわれと考えられています。朝型と夜型ははっきり二つに分かれるものではなく、多くの人はそのあいだのどこかにいます。文部科学省の資料によると、人の体内時計はもともと24時間より少し長く、朝の光や朝ごはんで、毎日24時間に合わせ直されています。

    ためしてみる

    • 朝起きたら、まず外の光を浴びてみる。体内時計を合わせ直す手がかりになります。
    • 休日も、起きる時刻を大きくずらさないでみる。

    合わない・続かないときは

    夜型の人が急に早く寝ようとしても、すぐには眠れないかもしれません。生活の時間を変えにくいなら、まず朝の光と朝ごはんの時刻をそろえるところからです。朝起きられず、学校や仕事に行けない状態が続くときは、医療機関に相談してください。

    資料:総説:クロノタイプによる睡眠覚醒パターン(国立精神・神経医療研究センター、PDF)資料:文部科学省「早寝早起き朝ごはんで輝く君の未来」(PDF)

  4. 新しい話

    起きてすぐ、頭がぼんやりする研究の話

    目が覚めた瞬間に、脳も起きているのだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    目覚めたあとしばらく、眠気が残って頭がうまく働かない状態は「睡眠慣性」と呼ばれます。研究をまとめた総説によると、続く時間は研究によって1分から4時間までばらつきがあるものの、ひどい睡眠不足がなければ30分を超えることはまれです。体の内側の温度がいちばん低いころに目覚めると、強く出やすいともされています。

    ためしてみる

    • 起きてすぐに、大事な判断や車の運転をしないで、少し時間をおいてみる。
    • 目覚ましを止めたら、カーテンを開けて光を入れてみる。

    合わない・続かないときは

    毎朝のぼんやりが長く続くなら、眠りそのものが足りていないのかもしれません。何日か、眠る時間を少し足してみて、朝の様子が変わるかを比べてみてください。

    資料:総説:睡眠慣性(英語)

この時間の話は、これから増えていきます。

10時〜15時ごろ

日中

昼の眠気は、悪いことだろうか。

  1. 新しい話

    昼すぎに、強い眠気がやってくる

    昼の眠気は、自分に合う眠りの長さを教えてくれるだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    睡眠指針2014は、年齢や季節に応じて「ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を」としています(第5条)。睡眠ガイド2023では、成人は6時間以上を目安に、必要な長さには個人差があるとしています。8時間という数字より、昼間の様子のほうが、自分に合う長さの手がかりになるのかもしれません。

    ためしてみる

    • 眠気が強かった日と弱かった日で、前の夜に眠った長さを比べてみる。
    • 昼のうちに、体を動かす時間を少しつくってみる。睡眠指針2014も「適度な運動」を挙げています(第2条)。

    合わない・続かないときは

    十分眠っているつもりでも、昼の眠気で困る日が続くことがあります。睡眠指針2014は「いつもと違う睡眠には、要注意」としています(第11条)。気になる眠気が続くときは、医療機関に相談してください。

    資料:厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」睡眠12箇条(PDF)資料:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(PDF)関連する動画を見る(#02)

  2. 新しい話

    昼休みに、少しだけ眠りたくなる

    昼の短い眠りは、夜の眠りの邪魔になるのだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    睡眠指針2014は、夜に十分眠れなかったときなどに、午後の早い時刻に30分以内の短い昼寝をすることが、眠気をやり過ごし、仕事の能率を上げるのに役立つとしています。一方で睡眠ガイド2023は、長い昼寝は夜の眠りを妨げるとして、日中に長く昼寝をすることは避けるよう勧めています。

    ためしてみる

    • 昼寝をするなら、午後の早い時間に、30分以内で切り上げてみる。
    • 横にならず、椅子に座ったまま目を閉じるくらいから始めてみる。

    合わない・続かないときは

    昼寝のあとに、かえってぼんやりすることもあります。夜の寝つきが悪くなったと感じたら、昼寝を短くした日や、しなかった日と比べてみてください。睡眠指針2014は、日中の眠気は睡眠不足のサインだとしています。昼寝をしても強い眠気が毎日続くなら、夜の眠りを見直すところからです。

    資料:厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」睡眠12箇条(PDF)資料:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(PDF)

この時間の話は、これから増えていきます。

15時〜19時ごろ

夕方

夕方の過ごし方は、夜まで届いている?

  1. 新しい話

    夕方のコーヒーが、夜まで残っている気がする

    眠れない夜の原因は、夜のうちにあるのだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    厚生労働省のGood Sleepガイドは、夕方以降のカフェイン、飲酒、喫煙は睡眠の妨げになるとして、控えるよう勧めています。何時までなら自分は平気か、というところは、ためして確かめていくしかない部分です。

    ためしてみる

    • カフェインを飲む最後の時刻を決めて、いつもより少し早めてみる。
    • 緑茶やエナジードリンクなど、コーヒー以外にカフェインが入っているものを飲んでいないか見てみる。

    合わない・続かないときは

    一度に全部やめなくても、最後の一杯の時刻を動かすだけで足りることもあります。変えた週と変えなかった週を記録で並べると、違いが見えやすくなります。

    資料:厚生労働省「Good Sleepガイド」(PDF)

  2. 新しい話

    お風呂に入る時間が、日によってばらばら研究の話

    お風呂の時間は、眠りとつながっているのだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    眠りに入るころ、体は手足から熱を逃がして、体の内側の温度を下げていきます。奈良県の高齢者1,094人を調べた研究では、寝る前にお湯につかった日のほうが、寝つくまでの時間が短く、手足から熱が逃げやすい状態になっていました。ただし、これは結びつきを見た調査で、入浴が直接の原因とまでは言い切れません。

    ためしてみる

    • 寝る直前ではなく、少し前にお風呂をすませる日をつくって、寝つきを比べてみる。
    • 冬は、お風呂に入る前に脱衣所や部屋を暖めておく。

    合わない・続かないときは

    同じ研究グループの調査では、入浴前の部屋が寒いほど、入浴中の体温が上がりやすく、血圧などの変化が大きくなるおそれがあると報告されています。熱いお湯に長くつかるより、無理のない温度と時間で。体調に不安がある人は、入浴のしかたを医師に相談してください。

    資料:研究:寝る前の入浴と寝つき(高齢者1,094人、英語)資料:研究:入浴中の血圧と部屋の温度(HEIJO-KYO研究、英語)

  3. 新しい話

    寝不足の次の日、夕方になってぐったりする研究の話

    寝不足の影響は、朝だけに出るのだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    若い男性を対象にした1997年の研究では、睡眠を削った翌日の夕方(18時〜23時)、ストレスに関わるホルモンのコルチゾールが、睡眠を一部削ったときで37%、まったく眠らなかったときで45%高くなっていました。寝不足の影響は、翌朝より、翌日の夕方に出ていたのです。ただ、寝床に6時間以上いられる程度の寝不足では、同じ上昇が見られなかった研究もあります。

    ためしてみる

    • 寝不足の翌日は、夕方以降の予定を少し軽くしてみる。
    • 寝不足の翌日、夕方の自分の様子を一言書きとめて、ふだんの日と比べてみる。

    合わない・続かないときは

    夕方の疲れには、寝不足以外の理由もたくさんあります。一度の記録で決めつけず、何日か並べて見てみてください。

    資料:研究:睡眠不足の翌日夕方のコルチゾール(1997年、英語)

この時間の話は、これから増えていきます。

19時〜23時ごろ

夜

眠る前の一時間、何をしている?

  1. 新しい話

    布団に入ってからも、スマホを見てしまう

    寝室にあるものは、眠りのためのものだけだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    Good Sleepガイドは、寝る前や寝床の中でのデジタル機器の使用は、夜ふかしや朝寝坊、睡眠不足を助長するとしています。睡眠ガイド2023も、寝室をできるだけ暗くすることを勧めています。

    ためしてみる

    • スマホの充電場所を、寝室の外に移してみる。
    • 目覚ましを、スマホから時計に替えてみる。

    合わない・続かないときは

    急に手放すのが難しいなら、布団に入ってから見る時間を短くするところからでもかまいません。何を見ているのかに気づくだけでも、次にためすことが見つかります。

    資料:厚生労働省「Good Sleepガイド」(PDF)資料:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(PDF)

  2. 新しい話

    眠くないのに、早めに布団に入る

    早く布団に入れば、早く眠れるのだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    睡眠指針2014は「眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない」としています(第10条)。e-ヘルスネットでも、早く眠らなければと焦るほど目が冴え、眠りへのこだわりが不眠を悪くする悪循環が指摘されています。

    ためしてみる

    • 決めた時刻ではなく、眠気が来てから布団に入ってみる。
    • そのかわり、起きる時刻は毎日そろえてみる。

    合わない・続かないときは

    最初の数日は、寝つく時刻がばらついて落ち着かないこともあります。一週間ほど続けてから、休まった感じが変わったかどうかで判断するのも一つのやり方です。

    資料:厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」睡眠12箇条(PDF)資料:e-ヘルスネット「不眠症」

  3. 新しい話

    お酒を飲むと、よく眠れる気がする

    寝つきやすいことと、よく眠れたことは、同じだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    Good Sleepガイドは、寝酒の習慣はかえって眠りを悪くするとしています。睡眠ガイド2023も、眠るための飲酒や、寝る直前の夜食を控えることを勧めています。

    ためしてみる

    • 飲む日は、寝る時刻から離れた時間に飲み終えてみる。
    • 飲んだ日と飲まなかった日で、目覚めたときの休まった感じを比べてみる。

    合わない・続かないときは

    毎日の習慣を一度に変えるのは難しいものです。週に何日か飲まない夜をつくって比べる、というやり方もあります。お酒がないと眠れない状態が続くなら、医療機関に相談してください。

    資料:厚生労働省「Good Sleepガイド」(PDF)資料:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(PDF)

  4. 新しい話

    夜も、部屋を昼と同じ明るさにしている研究の話

    夜の明かりの色は、眠気と関係があるのだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    夜に明るい光を浴びると、眠りに関わるメラトニンの分泌が抑えられ、体内時計のリズムが乱れる原因になるとされています。九州大学の研究では、家で夜に青白い昼白色の照明を使っている人ほど、メラトニンが出はじめる時刻が遅く、体内時計が夜型にずれていました(17人の調査)。

    ためしてみる

    • 夜は、部屋の照明を少し暗めにしたり、オレンジがかった電球色の明かりにしたりしてみる。
    • 寝る前の1時間だけ、天井の照明を消して、手元の明かりで過ごしてみる。

    合わない・続かないときは

    家族と暮らしていると、部屋の照明を変えるのは簡単ではないかもしれません。部屋全体ではなく、自分のいる場所の明かりだけを変えるところからでもかまいません。紹介した研究は少人数の調査なので、「電球色にすれば眠れる」とまでは言えません。

    資料:九州大学の資料:夜の照明の色と体内時計(PDF)

この時間の話は、これから増えていきます。

23時〜4時ごろ

夜中

眠っているあいだ、体と脳は休んでいるだけ?

  1. 新しい話

    夜中に目が覚めて、時計を見てしまう

    時刻を知ることで、眠りは近づくだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    「あと何時間しか眠れない」と考えるほど、焦りで目が冴えてしまうことがあります。眠りへのこだわりが不眠を悪くする悪循環は、e-ヘルスネットでも指摘されています。日本睡眠学会教育委員会が監修した不眠の手引きでは、時計を裏返しておく工夫も紹介されています。

    ためしてみる

    • 寝る前に、時計を見えない向きに置いてみる。
    • 夜中に目が覚めても、スマホで時刻を確かめないでみる。

    合わない・続かないときは

    時計が見えないことが、かえって気になる人もいます。合わなければやめて、ほかの話をためしてみる、それで大丈夫です。眠れない夜が続くときは、医療機関に相談してください。

    資料:e-ヘルスネット「不眠症」

  2. 新しい話

    「眠れなかった」と思う朝がある研究の話

    眠れなかったという感覚と、実際の眠りは、いつも同じだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    眠っているあいだのことは、ほとんど記憶に残りません。人生のおよそ三分の一を眠って過ごしているのに、私たちは眠っている自分を見たことがないのです。柳沢正史さんたち筑波大学などの研究では、眠りに不調を感じている人の66%が、脳波などで客観的に測ると問題がなかったと報告されています(2025年)。

    ためしてみる

    • 眠れなかったと感じた翌日、日中にどのくらい困ったかを書きとめて、夜の感覚と比べてみる。
    • 朝起きたとき、昨夜について覚えていることを一つだけ書いてみる。

    合わない・続かないときは

    逆に、十分眠ったと感じていても睡眠不足が疑われる人が、同じ研究で45%いました。感覚だけで決めつけず、いびきを指摘される、昼の眠気が強いといったことが続くなら、医療機関で相談してみる価値があります。

    資料:筑波大学ほかの発表「自覚している睡眠時間や睡眠の質は『当てにならない』」(PDF)関連する動画を見る(#01)関連する動画を見る(#06)

  3. 新しい話

    眠っている時間が、もったいなく感じる研究の話

    一日の終わりに、脳は何を片づけているのだろう。

    読んで、考えてみる

    わかっていること

    脳には、体のほかの場所にあるようなリンパの流れがありません。そのかわりに、脳の中を液が流れて老廃物を運び出すしくみがあると考えられ、「グリンパティックシステム」と呼ばれています。2013年のマウスの研究では、眠っているあいだに脳の細胞のすき間が60%広がり、老廃物の流れ出る速さが上がっていました。

    考えてみる

    • 眠りを「何もしていない時間」ではなく、脳が片づけをしている時間として考えてみる。
    • 睡眠時間を削りたくなったとき、その時間に脳が何をしているかを思い出してみる。

    合わない・続かないときは

    ここで紹介したのはおもにマウスの研究で、人でどこまで同じことが起きているかは、まだ研究が続いている段階です。「眠ると脳がきれいになる」と言い切れる話ではない、という距離で受けとめてください。

    資料:総説:グリンパティックシステムと加齢・記憶・睡眠(英語)

  4. 新しい話

    嫌なことがあった日、眠ると少し落ち着いている研究の話

    眠っているあいだに、気持ちの整理は進んでいるのだろうか。

    読んで、考えてみる

    わかっていること

    夢を多く見るレム睡眠が、感情を伴う記憶の処理に関わっている、という研究の流れがあります。出来事の記憶は残しながら、そのときの強い感情だけを少しずつ和らげていく、という考え方です。

    考えてみる

    • 嫌なことがあった夜は、無理に答えを出そうとせず、ひと晩おいてから考えてみる。
    • 翌朝、その出来事への気持ちが前の夜とどう違うかを書きとめてみる。

    合わない・続かないときは

    これはまだ仮説を含む研究の話で、眠れば必ず気持ちが軽くなる、というものではありません。つらい気持ちが続いたり、眠れない日が続いたりするときは、ひとりで抱えずに医療機関や身近な人に相談してください。

    資料:総説:睡眠と感情の記憶(英語)

  5. 新しい話

    一晩中、同じように眠っていると思っていた

    眠りの深さは、一晩のあいだ、ずっと同じだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    眠りには、夢をよく見るレム睡眠と、大脳を休めるノンレム睡眠があり、約90分の周期で入れ替わっています(e-ヘルスネット)。文部科学省の資料によると、寝ついてすぐに深いノンレム睡眠が現れ、眠りの後半になるほどノンレム睡眠が減り、レム睡眠が増えていきます。

    ためしてみる

    • 夜中に目が覚めたら、眠りが浅くなる時間帯だったのかもしれない、と考えてみる。
    • 時刻は見ずに、朝起きたときに、夜中に目が覚めた回数だけを書きとめてみる。

    合わない・続かないときは

    「90分の倍数で起きると目覚めがいい」という話もありますが、周期はいつも正確に90分というわけではありません。数字に合わせるより、目覚めたときの休まった感じを手がかりにするほうが確かです。

    資料:e-ヘルスネット「レム睡眠」資料:文部科学省「早寝早起き朝ごはんで輝く君の未来」(PDF)

この時間の話は、これから増えていきます。

4時〜6時ごろ

明け方

朝が来る前に、体は何を準備している?

  1. 新しい話

    年をとって、明け方に目が覚めるようになった

    長く布団にいれば、そのぶん眠れるのだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    Good Sleepガイド高齢者版は、年齢とともに必要な睡眠時間は減り、早寝早起きの傾向に変わっていくとしています。そのうえで、寝床に8時間以上とどまらないことを勧めています。男性149人を調べた研究では、深い眠りの割合が、16〜25歳の18.9%から、36〜50歳では3.4%まで減っていました(女性では同じような減り方は見られにくいとされています)。

    ためしてみる

    • 布団に入った時刻、眠ったと思う時刻、起きた時刻の三つを書いて、布団にいた時間と比べてみる。
    • 昼のうちに、外を歩く時間をつくってみる。

    合わない・続かないときは

    若いころと同じ長さや深さを目指さなくていい、という見方もあります。昼間に困っていなければ、それがいまの自分に合う眠りなのかもしれません(睡眠指針2014 第5条)。

    資料:厚生労働省「Good Sleepガイド 高齢者版」(PDF)資料:研究:年齢と深い眠りの変化(男性149人、英語)関連する動画を見る(#05)

  2. 新しい話

    朝方に、夢をよく見る

    夢を見るのは、眠りが浅いからだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    夢をよく見るのは、レム睡眠のあいだです(e-ヘルスネット)。レム睡眠は眠りの後半ほど多くなるので、明け方は夢を見ている時間が長くなります。文部科学省の資料では、レム睡眠のあいだ、脳は記憶の整理や定着をしているとしています。

    ためしてみる

    • 起きてすぐ、覚えている夢を一言だけ書いてみる。
    • 夢を覚えている朝と、覚えていない朝で、休まった感じを比べてみる。

    合わない・続かないときは

    夢をよく覚えている朝は、レム睡眠のころに目が覚めたのかもしれません。夢を覚えているかどうかで、眠りの良し悪しが決まるわけではありません。こわい夢を何度も見て、眠ること自体がつらくなっているときは、医療機関に相談してください。

    資料:e-ヘルスネット「レム睡眠」資料:文部科学省「早寝早起き朝ごはんで輝く君の未来」(PDF)

この時間の話は、これから増えていきます。

時間を決めずに

一日を通して

眠りの正解は、ひとつだけ?

  1. 新しい話

    休まったかどうか、自分ではよくわからない

    眠った時間だけで、休まったかどうかは決まるのだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    睡眠ガイド2023は、睡眠時間と並んで「睡眠休養感」を大切な目安にしています。目覚めたときに休まったと感じられるかどうか、という感覚です。厚生労働省の記録シートでは、寝床に入った時刻と起きた時刻、実際に眠っていた時間、睡眠休養感を、1週間書きとめる形がとられています。

    ためしてみる

    • 記録シートの四つの項目を、一週間つけてみる。紙でも、スマホのメモでもかまいません。
    • このページのほかの話を一つためすときに、ためす前の一週間と、ためした一週間を比べてみる。

    合わない・続かないときは

    毎朝の数字を確かめすぎると、かえって眠りが気になってしまうこともあります。書くのは毎日、眺めるのは一週間たってから、くらいの距離がちょうどいいのかもしれません。

    資料:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(PDF)資料:厚生労働省「睡眠チェック&アドバイス」(PDF)関連する動画を見る(#04)関連する動画を見る(#08)

  2. 新しい話

    睡眠アプリの点数が、気になって仕方ない研究の話

    数字がよくなれば、眠りもよくなるのだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    睡眠を記録するアプリや腕時計の数字に完璧を求めるあまり、かえって眠りへの不安が強くなる状態が、2017年に「オルトソムニア」と名づけられました。3人の患者の報告から生まれた言葉で、正式な病名ではありません。報告された人たちは、数字をよくしようとして、寝床に長くいすぎていました。

    ためしてみる

    • 毎朝の点数は見ず、一週間たってから平均だけを見てみる。
    • 点数を見る前に、休まった感じを自分の言葉で先に書いてみる。

    合わない・続かないときは

    記録すること自体が悪いわけではありません。数字が気になって眠れなくなってきたら、しばらくアプリを外してみるのも一つの方法です。アプリでは睡眠時無呼吸などはわからないので、気になる症状があれば医療機関へ。

    資料:研究:オルトソムニア(2017年、英語)

  3. 新しい話

    「何時間寝ればいいか」が、人と合わない

    眠りの正解は、誰にとっても同じだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    睡眠ガイド2023の目安は、年齢でかなり違います。小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間、成人は6時間以上、高齢者は寝床にいる時間を8時間以上にしないこと。さらに、遺伝的に短い睡眠でも健康に過ごせる家族が、まれにいることもわかってきています。

    ためしてみる

    • 家族の中で、眠りの長さや朝型・夜型がどう違うかを話してみる。
    • 自分の目安を、年齢の目安と、昼間の眠気の両方から見直してみる。

    合わない・続かないときは

    短い睡眠で平気な体質はとてもまれで、自分がそうだと決めつけるのは危険です。目安より短い日が続いて昼間に困っているなら、まず長さを足してみるところからです。

    資料:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(PDF)資料:研究:家族性の短時間睡眠と遺伝子(英語)

  4. 新しい話

    子どもが、なかなか寝てくれない

    子どもの眠りは、大人の眠りを小さくしたものだろうか。

    読んで、ためしてみる

    わかっていること

    睡眠ガイド2023の目安では、1〜2歳は11〜14時間、3〜5歳は10〜13時間、小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間と、子どもは大人よりずっと長い眠りが必要です。寝ついてすぐの深いノンレム睡眠では、体の成長や修復に関わる成長ホルモンが作られるとされています(文部科学省の資料)。

    ためしてみる

    • 寝る時刻より先に、起きる時刻と朝の光をそろえてみる。文部科学省の資料も、夜ふかしの子を早く寝かせるのは難しいので、早起きから始めるのがよいとしています。
    • 寝る前の画面の時間について、家族でルールを話し合ってみる。

    合わない・続かないときは

    子どもが大人の生活時間に合わせていることも少なくありません。子どもだけを変えようとせず、家族の夜の過ごし方を一緒に見直すほうが続きやすいかもしれません。いびきや夜中の目覚めなど、気になることが続くときは、小児科に相談してください。

    資料:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(PDF)資料:文部科学省「早寝早起き朝ごはんで輝く君の未来」(PDF)資料:文部科学省「企業と家庭で取り組む 早寝早起き朝ごはん」(PDF)

この時間の話は、これから増えていきます。

確かめたいときは

ここでためせることは、公的な資料にある生活の工夫と、睡眠の研究をもとにしています。「研究の話」の印がついたものは、研究で報告されている段階の内容です。根拠や、自分に合う目安は、次の資料で確かめられます。

眠れない状態が続く場合は、医療機関にご相談ください。
このページは厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」をもとにした一般向けの情報で、診断や治療を目的としたものではありません。

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