Chapter 05|学習ジャーナル | Kuu-Lab
Chapter 05 / Learning Journal

学習ジャーナル
——「わかった・つまずき・次」の三点

授業後3〜5分、たった3項目を書くだけ。日本の中学生を対象にした研究でも、振り返りの記録が「自分で学ぼうとする気持ち(自律的動機づけ)」を高めることが示されています。

学習ジャーナルとは

学習ジャーナルとは、授業や自習の後に「今日わかったこと・まだわからないこと・次にやること」の3点を短く記録する振り返りのことです。「感情」ではなく「学習の状態」を対象にするため、感情日記とは目的が異なります。

反省的介入のメタ分析(25研究・2,111人)では、学習の振り返り活動が学業成績に対してg=.793という比較的大きな効果を示しました。日本の中学生を対象にした研究(社会科でのポートフォリオ型振り返り)でも、内的調整・同一化的調整が向上し、「やらされている感」が抑えられることが示されています。

大切な注意:「何でも日記を書けば成績が上がる」わけではありません。効果があったのは「わかったこと・わからないこと・次の行動」という構造を持つ振り返りです。自由な感想書きとは異なります。

3つの柱:わかった・つまずき・次

今日わかったこと

授業や自習で「あ、そういうことか」と感じた内容。1〜2文で十分。

まだわからないこと

引っかかったポイント・理解が曖昧なところ。「わからない」を言語化することが重要。

➡️

次にやること

「この問題を解き直す」「この単語を調べる」など、具体的な次の一手を1つ。

学習ジャーナル:基本テンプレート(授業後 3〜5分)

科目・日付例:数学 / 5月8日
今日わかったこと比例は「yはxに比例する」のとき y=ax と表せる
まだわからないことaの値がマイナスになるときのグラフの向きが混乱する
次にやることa<0のグラフを教科書p.47の例題でもう一度確認する
英語の授業後の例

わかった:現在完了は「have+過去分詞」で「今も影響がある過去」を表す

わからない:「just」「already」「yet」の使い分けが曖昧

次:教科書の練習問題3問だけやり直す

なぜ「次にやること」を必ず書くのか

「わかったこと」「わからないこと」だけを書いて終わる人が多いですが、「次にやること」を書かないと記録のままで終わります。振り返りを行動につなげる最後の一歩が、このステップです。

進捗モニタリング研究でも、記録を残すだけでなく「次の調整を決める」ことが目標達成を後押しすることが示されています。学習ジャーナルでも同じで、「次にやること」が具体的であるほど実行率が上がります。

続けるコツと変形版

シーンおすすめの形時間目安
授業直後(学校)ノートの端に3行メモ2〜3分
自宅学習後基本テンプレート(上記)3〜5分
週末まとめ1週間の「わからないこと」をリスト化し、優先順位をつける10分
テスト前「まだわからないこと」のリストを優先的に復習する随時
学習ジャーナルは「勉強日記」ではありません。感想を書く場所ではなく、「理解の状態を確認する」場所です。1回5分未満でも続けることの方が、長く書いて続かないことより価値があります。
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