身体の仕組みを知る | BODY & MOVE | Kuu-Lab

FOUNDATION

身体の仕組みを知る
— 構造として読み解く

なぜ姿勢は崩れ、なぜ痛みは別の場所に出るのか。 身体を「部品の集まり」ではなく、つながり合う一つのシステムとして見ると、 整えることの意味が変わってくる。

むずかしいと感じたら「中学生モード」に切り替えてみてください。

01

身体は、部品の寄せ集めではない

ヒトの身体は、細胞から組織、器官、器官系へと階層的に構成された自己組織化システムである。 呼吸器系・消化器系・循環器系・泌尿器系・神経系——これらは空間的に独立して存在するのではなく、 物質とエネルギーの絶え間ない交換を通じて互いに連携し、生命活動を維持している。

解剖学を学ぶとは「どこに何があるか」を覚えることではない。 なぜその形と機能が結びつくのかを考えることだ。 身体とは、部品の総和ではなく、相互依存する器官系のネットワークである。

体の中には、息をする「肺」、食べ物を消化する「胃や腸」、血を流す「心臓」など、 たくさんの係(かかり)がいます。でも、それぞれがバラバラに働いているわけじゃない。

みんながエネルギーやモノをやりとりしながら、チームとして動いている。 だから「どこに何があるか」を暗記するより、「なんでこの形なんだろう?」と考えるほうが、 体のことがずっとよくわかるんです。

呼吸器系

鼻・喉・気管・肺。外から酸素を取り込み、老廃物(二酸化炭素)を吐き出す。

消化器系

口・胃・腸・肝臓など。食べ物を分解して栄養を吸収し、動くためのエネルギーを作る。

神経系

脳・脊髄・全身の神経。刺激を受け取り、感覚・運動・内臓の調整を一体化する。

泌尿器・免疫系

腎臓・膀胱・脾臓など。血液を濾過し、体液バランスを保ち、身体を守る。

02

「動いていない時」も、身体は働いている

外界が変化しても、身体は体温・血圧・血糖・酸素濃度を一定範囲に保とうとする。 この自律的な性質をホメオスタシス(恒常性)という。 神経系・内分泌系・免疫系が連携し、わずかな変化をキャッチして全身を動的に調整している。

暑い日も寒い日も、体温はだいたい36度くらいに保たれていますよね。 これは体が自動で「いつも通り」に戻そうとする力を持っているからです。 この力を「ホメオスタシス(恒常性)」と呼びます。

75% 身体が作り出すエネルギーのうち、約75%は
「生きている状態の維持」そのものに使われている。

つまり身体は、静止した構造物ではない。 常にエネルギーを消費しながら自己を再構築し続ける「動的平衡」のプロセスそのものだ。 「疲れる」「落ち着く」「集中できる」といった日常の感覚も、この恒常性の調整水準と結びついている。

じっとしているときでも、体は休んでいません。 作ったエネルギーの4分の3くらいを、ただ「生きている状態を保つこと」に使っているんです。 体は止まった置きものではなく、いつも作り直され続けている川の流れみたいなものです。

03

なぜ痛みは、別の場所に出るのか

身体全体は筋膜(fascia)という三次元の結合組織ネットワークに包まれている。 筋膜は全身をひとつながりに連結しているため、ある一点の問題が、 離れた場所の代償パターンとして連鎖していく。肩こりの原因が骨盤にある、ということが起こりうる。

体の中は「筋膜」という薄い膜で、全身が一枚につながっています。 だから、ある場所がこわばると、その引っぱりが別の場所に伝わって、 思いがけないところが痛くなることがあるんです。

テンセグリティ:硬い棒(骨)が、張力のケーブル(筋膜)で
宙に浮くように支え合う構造。一本を引くと、全体が動く。

身体はこのテンセグリティ(張力統合)構造に近い。 骨は積み木のように積み上がっているのではなく、筋膜の張力ネットワークの中で「浮いて」バランスを取っている。 だから、一箇所を整えると全体が変わる。局所だけを見ても、根本は分からない。

体は、硬い骨(棒)と、筋膜(ゴムひも)が引っぱり合って、 全体でバランスを取っている「テンセグリティ」という形に似ています。 一本のひもを引っぱると、ぜんぶが動く。だから一箇所を整えると、体全体が変わるんです。

この「全身はつながっている」という視点が、次のロルフィングの考え方につながっていきます。

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