幸福のOS
幸せは「なる」ものではなく、
「感じる」ものである
「いい大学に入れば幸せ」「お金持ちになれば幸せ」「結婚すれば幸せ」…。
私たちは何かを手に入れれば(Have)、幸せになれる(Be)と信じてきました。
でも、なぜ宝くじに当たった人が不幸になったり、成功した芸能人が悩んだりするのでしょうか?
幸福に関する古いOSのバグを修正し、持続可能な幸せ(Well-being)への道を解説します。
1. 地位財という名の「ルームランナー」
人間には恐ろしい機能があるからね。「慣れ」という機能さ。
経済学者のロバート・フランクは、幸せをもたらすものを2種類に分けました。
一つは「地位財(Positional Goods)」、もう一つは「非地位財(Non-positional Goods)」です。
幸せの賞味期限
例:お金、役職、車、家
特徴:他人との比較で決まる
賞味期限:短い (すぐ飽きる)
「もっと上がいる」限り、満足できない
例:健康、自由、愛情、趣味
特徴:他人と関係なく嬉しい
賞味期限:長い (ずっと続く)
慣れにくい喜び
地位財(お金やモノ)を追い求めるのは、ルームランナーで走り続けるようなものです。
手に入れた瞬間に満足度は下がり、また次の「もっといいもの」が欲しくなる。
この「もっともっとゲーム」には、ゴールがありません。
2. 消費から創造へ(フロー体験)
「じゃあ、欲を捨てて仙人になれってこと?」
いいえ、違います。「快楽の種類」を変えるのです。
心理学者のチクセントミハイは、人間が最も幸福を感じるのは、何かに没頭して我を忘れている時、つまり「フロー状態」にある時だと発見しました。
買う楽しみ vs 作る楽しみ
ブランドバッグを買う喜び(消費)は一瞬ですが、自分で育てた野菜を食べる喜びや、ギターで曲を弾けた時の喜び(創造)は、深く長く続きます。
フローへの入り口
最高に楽しい!
(難しすぎる)
(簡単すぎる)
自分のスキルより「ちょっとだけ難しい」ことに挑戦している時、人は時間を忘れます。
ゲーム、スポーツ、プログラミング、絵を描くこと…。
「消費」する側から「創造」する側へ回ることが、幸福への近道です。
3. 攻略法:Well-being(ウェルビーイング)
最後に、「Happiness」と「Well-being」の違いを知っておきましょう。
Happinessは「嬉しい!ラッキー!」という一時的な感情。
Well-beingは「身体も心も社会的にも満たされた、良い状態」が続くことです。
幸せの4つの因子
慶應義塾大学の前野隆司教授は、幸せには4つの要素が必要だと言っています。
(自己実現・成長)
(つながり・感謝)
(前向き・楽観)
(自分らしさ・独立)
お金(地位財)はこの中に入っていません。
お金は土台にはなりますが、建物(幸せ)そのものではないのです。
今日からできる「幸せ」のハック
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1寝る前に「3つの良いこと」を書く
脳は放っておくと「悪いこと」を探します。強制的に「良いこと」にフォーカスする習慣をつけると、脳のOSが書き換わります。
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2「誰かのため」にお金を使う
自分のために1000円使うより、誰かにプレゼントした方が幸福度が高まることが科学的に証明されています。
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3他人と比較したら「ストップ」と言う
SNSを見て嫉妬したら、心の中で「比較アラート!」と叫んでアプリを閉じましょう。比較は泥棒です。あなたの幸せを盗みます。
幸せは、追いかける獲物ではありません。
正しいOSで生きた結果、
いつの間にか足元に咲いている花なのです。